@ 新型コロナウイルスは2020年1月に「指定感染症」と閣議決定されました。指定感染症の感染者は原則、陰圧病室(ウイルスが外部に流出しないよう気圧を低くしてある病室)などのある「感染症指定医療機関」に入院隔離されます。が、その数は限られています。日本国内では、410医療機関1871病床(島根県は、8病院28病床)に過ぎません。新型コロナウイルス感染者については、発熱・肺炎の症状が落ち着き、健康状態が回復しても、PCR検査で2回陰性が確認されるまで退院させることはできません。最低2週間は病床を使用することになります。
A 新型コロナウイルスの感染拡大で重症化リスクのある感染者が増えていけば、「感染症指定医療機関」は必要な診療ができなくなり、「医療崩壊」が起きます。そこで厚生労働省は「PCR検査」(新型コロナウイルスに感染しているかの検査)を受けられる人の条件を「37.5度以上が4日連続する」などと定めました。さらには4月から、感染者全員を入院させる方針を切り替え、軽症者や無症状者はホテルや自宅で療養できるようにしました。
B ただ、医療機関でひとたび患者クラスター(集団感染)が発生すれば、医師・看護師などの医療スタッフも濃厚接触者とされ、自宅待機を余儀なくされます。外来診療や救急医療はストップし、すでに入院している重症患者の治療もできない事態に陥ります。こういう面からも、「感染症指定医療機関」の担当者は、心身ともに緊張を強いられる医療現場で勤務に当たっておられるのです。